ITエンジニアが転職するときに、成功するためには一定のスキルや実績が必要です。
成功の定義が、給料のアップや大手企業への入社など人によって異なりますが、少なからず自分の望む環境や企業に勤める事が出来れば成功と捉えて良いでしょう。
また、運用レベルの仕事で転職をしても環境が変わる事でステップアップやキャリアアップにならなくとも失敗という事にはならないと思います。
基本的に転職を有利に進める事が出来なければ成功はしにくいです。
入りたい会社のレベル感もありますが、少なからず目標とする企業にとって有益な存在でなければ面接にすらたどり着けない事もあります。
また、優秀な人材というイメージが無ければ目標とする企業以外からも落とされてしまいます。
転職するにおいて、優秀である必要性は必須ではありませんが優秀な方が魅力的であるのは違いません。
複数企業から魅力的であると判断される人間の方が有利に転職を進める事が出来ます。
両想い的に一つの企業と完全にマッチングする場合もありますが、私はそうではない方が良いと思っています。
それは、転職した会社を辞めた時の事を考えてです。
複数内定を貰えるエンジニアはいつでも転職が可能です。
転職後に後悔する事や、会社の状況が変わる事もあります。
そんな時に、リスクヘッジとして転職市場での評価を維持していく事も必要です。
そこで今回は、転職の経験から個人的に考えている転職で成功するためのエンジニアのスキルについて書いていきたいと思います。
転職を有利にするエンジニアのスキル
設計業務は必須
基本的な話ですが、上流工程の経験は絶対的にあるべきです。
理由は、多くのIT企業やIT関連職種では上流工程の経験を募集要項にしている事が多いからです。
上流工程の実績は、一つのスキルの目安になります。
「運用レベルでも可」より「上流工程の経験必須」であれば後者の方が報酬が良いのが一般的です。
設計・構築の経験を求める企業は多いですが構築経験だけではダメです。
構築経験も確かに魅力的な経験値ですが、マニュアルがあれば出来てしまう部分もあります。
設計書通りのドキュメントを用意して作業をしても、それは構築経験です。
しかし、設計業務はヒアリングなど対人スキルも必要とされます。
また、スペシャリストを好む情シス系も設計業務の経験を欲します。
業務体系によって異なりますが、外部の業者に構築などを委託する場合はベンダコントロールをしなければいけません。
その場面では、構築スキルより設計スキルの方が重視されます。
設計業務が出来ないと転職市場で不利かと聞かれると、決してそうだとは言い切れませんが設計業務の経験があった方が、転職回数や企業の規模など関係なく有利に選考が進みやすいです。
人気または上位資格を取得する
スキルは経歴書に書いてある事だけではありません。
資格取得の意義については、度々議論されますが私は必ず活きると断言します。
以前、上記リンクの記事でも書きましたが、そもそも採用条件に資格を指定している事もあります。
LPIC1でもCCNAでも下位資格であっても指定されていれば書類選考で落とされてしまいます。
資格が必須な職種や求人に対して資格が無いと応募する権利すらありません。
また、応募の権利だけではなく学習スキルという意味であっても資格は有利です。
資格とは試験を受けるので学習レベルや意欲の高さを定量的に評価する指標になります。
大学受験で言えば、テストを受けないで受験するのはAO入試で、テストの結果で受験するのはセンター試験です。
前者より後者の方が受かる人数は多いのです。
むしろ、AOで十分合格できるレベルの実績や成績の人が資格まで持っていたら文句なしでしょう。
他の大学だって十分合格できる可能性があります。
つまり、下位レベルの資格であっても有利になる事もありますし、個人的に進めているのはやはり上位の資格です。
他の記事と同じことを書きますが、ある程度の実績がある人が下位レベルの資格を保有していても逆にレベルが低く見えるからです。
実績は輝かしいのに、資格が下位レベルだと疑いが生じます。
「それだけの経験があってこの資格?本当に知識が伴っているの?」という具合です。
なので、資格はレベルに応じてきちんと取得していく事をお勧めします。
また、クラムメディアなどで上位資格の取得のための学習が出来ます。
数千円から1万円程度、出費が必要になりますが資格を取る事で給料が数千円上がるのであればすぐにペイできます。
ちなみに、Oracle MasterやMCSA試験など今は再受験無料になっている受験はチャンスです。
クラムメディアではOracle Gold試験などで合格者を多数輩出しているので確実に合格したい人は利用してみることをお勧めします。
アウトプットされた成果物
プログラマやWeb系のエンジニアでは比較的、見せやすい実績ではありますが成果物がアウトプットされていると評判が良くなる事が多いです。
特にWebサイトやアプリケーションであれば、採用担当者が知っているようなサービスやサイトであればかなり印象に残るでしょう。
インフラエンジニアであれば、基本的に目に見えるサービスのような形では語る事は出来ませんが、その基盤などを話せると良いでしょう。
扱っている技術力を客観的に評価できる成果物やサービスや顧客というのは重要です。
先ほどはアプリ側の話をしましたが、インフラエンジニアでも金融系や公共系に強いエンジニアは転職に有利に働く事もあります。
採用条件に、「金融系システム3年以上」など、最初からその業界の知識を有するエンジニアを求める企業もあります。
また、公共案件も大型の物であれば大手のSIerはどこも必要な人材です。
参画したプロジェクトが大きければ大きいほど魅力的になります。
もちろん、歯車の一つとしてプロジェクトに参加しただけであれば話せる内容のレベルも違います。
しかし、1つ目に書いた「設計業務」として参画している場合は、魅力的な要素になり得ます。
ビジネスインテリジェンス
IT業界といっても、ビジネスとして成立しなければ会社は倒産してしまいます。
技術力がひとえに高くとも、会社を支えていけるエンジニアになるためには技術力だけでは物足りない事もあります。
技術を用いて新しいビジネスや仕組みづくりが出来る方が優秀です。
これが出来るエンジニアは転職市場でもほんの一握りだと思います。
かなりハードルが高い内容ですが、それでもこの実績があれば多くの企業からオファーがあると思います。
所謂、システム企画のような仕事です。
高い技術力であっても正しく使えなければ宝の持ち腐れです。
正しい知識を用いて、生産性を向上させたり新しいアイディアで利益を生み出すことは系傾斜視点で見れば、単なるシステムエンジニア以上の人材です。
この手のタイプは一人で顧客を獲得する事も出来ます。
参戦するには難しい領域の仕事ではありますが、技術を用いた企画や導入、そしてその実績によって利益が発生しているのであれば大きなメリットです。
スペシャリストかマルチな分野
IT業界では2つの専門分野を持つ必要があるとよく言われます。
また、逆に多くの企業がITに関しては「専門家」を求めるというのも間違いありません。
転職の求人では「○○経験3年以上」や「○○業界の経験5年以上」などよく見かけます。
未経験者歓迎もありますが、チャレンジ精神で内定が貰えても給料が伴わないのが一般的です。
一つの分野に特化するか複数分野を専門にするか二択のどちらかにしましょう。
一つに特化した「スペシャリスト」というのは、かなり頼りになる存在です。
私は多くの分野で仕事をしていて、比較的Linuxは得意ですがカーネルの構造などは把握していません。
しかし、これがLinux一筋で特化して経験した来た人は、Linuxの挙動と構造まで理解していたりします。
このレベルの人は、予期せぬバグやトラブルを迅速に特定し解決する事や、Linuxの新しい仕組みを取り入れる素スピードも速いです。
スペシャリストは絶対的な存在です。
また、複数分野の人材は「汎用的」です。
先ほどの「スペシャリスト」は特化した分野では絶対的です。
しかし、他の分野でどの程度業務が出来るかは不透明です。
複数分野であれば、メイン業務とサブ業務を兼業したり、状況に応じて対応できる案件や作業も幅があります。
複数の分野で仕事が出来る人は汎用的でいてくれると助かる存在です。
別の分野の仕事で、専任の人がいても病気になったりする事もあります。
そんな時に、片手間でも代わりで出来る人がいるのは業務停止にはなりません。
汎用的であるというのは、専門性が多少低くても扱えることが評価されます。
転職をより成功させるために
転職をより成功させるには、転職のサービスを利用することをお勧めします。
一度転職を経験した人であれば既に知っているかと思います。
以前、初めての転職について記事を書きました。
初めての転職ではエージェントサービスを2つ以上使う事をお勧めしています。
また、リクナビやDODAだけではなくご紹介するレバテックやマイナビも近年非常に伸びているサービスなので、これを機に面談してみてはいかがでしょうか。
スキルレベルや転職したい企業など悩んでいる事があれば登録して面談してみる事をお勧めします。
最後に
エンジニアが転職で成功するために必要なスキルについて書いてきました。
私はフルスタック気味に、分野を横断して活動していますが正直大変です。
便利屋と言っても良いくらい毎日作業する分野が異なります。
たくさんできますが、それぞれの専門はスペシャリストには程遠いです。
最近はデータベースのスペシャリストを目指そうかと思っています。
しかし、汎用性の高さも転職市場では有利な事を理解出来ました。
リスクヘッジは大切なので、転職を考えている人は自分の価値を高めていけるように意識して貰えればと思います。