勤務間インターバル制度についてご存知でしょうか。
「働き方改革」が進む中で、このような制度を導入する企業も増えています。
他にも「インターバル規制」という呼び方もしております。
簡潔に説明すると、翌日就業を開始するまでに休憩するべき時間を設ける制度です。
会社によって10時間であったり、11時間であったり、はたまた7時間である事もあります。
11時間を例にすると、前日23時まで残業をした場合は、翌日は10時から就業が可能になります。
このように、最低限の休息時間を設けて長時間労働による過労などを防ぐ目的があります。
しかしながら、全くもって無意味な制度になると思います。
もちろん、制度の存在だけを否定するつもりはありません。
今の考え方では無意味だと感じております。
エンジニアという立場であれば尚更、無意味だと感じていますし、メリットを享受する事もないと思います。
個人的な価値観ですが、その理由について書いていきたいと思います。
インターバル規制が無意味だと思う理由
人によって生活リズムが違う
人によって生活リズムが異なるのは当然の事です。
ロングスリーパーもいればショートスリーパーもいます。
家庭がある人もいれば独身の人もいます。
つまり、「○○時間」と決めても本当にその人が休めるのかは人によって異なるためです。
インターバル規制の先駆者であるKDDIは導入当初7時間と定めているのですが、これは何を基準に決めたのか理解不能です。
個人的には会社で徹夜して、「6時間くらい会社で寝てご飯を食べてそのまま就業開始してください」という制度にしか感じません。
「会社で寝る」という行為が本当に休息になるのでしょうか。
そして溜まった疲労は数時間の睡眠でリフレッシュできるのでしょうか。
ストレスが多く、睡眠が浅い人は眠りが浅く長時間睡眠になりやすいです。
また、自宅で睡眠できない事自体がストレスだと思います。
結果的に11時間になっているようですが、失敗しながら導入している良い事例だと思います。
寝る時間だけが休息ではない
事例を見ると、8時間+通勤時間や11時間など比較的、寛容な企業もあるようです。
しかし、個人的にはそれでも足りないと思います。
11時間に定められている場合、片道電車で1時間かけて通勤している人はどうでしょう。
23時まで残業をして0時に自宅に到着し、それからご飯やお風呂に入って寝ますよね。
帰ってもすぐ寝付けませんし自分の時間もないまま10時には出社です。
朝は8時くらいまで寝ていられますが、寝るのが2時などであれば疲れは取れているのでしょうか。
無駄に起きていないで寝た方が良いのかもしれませんが、それは「寝ろ」と命令されているのと同等な気がします。
また通勤時間が長い人ほど無意味な制度です。
先ほど挙げた8時間+通勤時間なら良いでしょう。
では11時間固定の場合は、どうなるのでしょう。
片道2時間かかる場合、22時に退社しても帰宅は0時で出社は9時です。
0時に帰宅して、片道2時間で9時出社の場合、1時間ほど飲食やお風呂に使っても5時間程度しか睡眠時間がないでしょう。
なんら意味がないと思います。
21時まで残業しても翌日は平日と同じ9時出社です。
つまり、勤務間インターバル制度は12時間以上でないと無意味だと思います。
通勤時間を加味して変動させても良いでしょう。
しかし、保守的な日本の人事制度は管理を優先するので取り組める会社は一握りかもしれません。
健康管理は社会人としての義務だが
健康管理は社会人としては大切です。
しかし、先ほども挙げましたがその人の疲れが取れるための必要な休息の時間はそれぞれで異なります。
日本人の多くは、6時間寝れれば十分と思っている人も多いと思います。
しかし、私のように毎日23時前に寝て長い睡眠をとらないと寝不足になる人もいます。
毎日の仕事で、この時間だけは確保するように努めています。
また、想定外のトラブルでもちろん、帰宅が23時を回る事もあります。
そうなると、9時出社や10時出社でもしんどいです。
正直、12時間以下のインターバルは体調不良で有給休暇を取得した方がマシです。
何度も言いますが、無意味なのです。
そのインターバルは休息を取るには不十分な時間なのです。
むしろ、11時間だとして22時まで残業しても翌日は通常通りの出社なので何も意味がないと思います。
ショートスリーパーにしか効果が無い
短時間の睡眠で、翌日丸一日元気に過ごせる人は多くないのではないでしょうか。
仮に導入時に9時間と定めた場合、通勤時間が片道1時間と仮定して、24時まで残業したら帰宅は1時、起床は最低でも7時半でしょう。
そして、寝る前に1時間くらい時間を要したら睡眠時間は5時間半しかありません。
5時間半の睡眠で24時まで働いた疲労は取れるのでしょうか。
個人的には否です。
ここまで、インターバルは12時間以上ではないと無意味だと言っているのは他にも理由があります。
例えば、10時間であれば、毎日22時まで残業しても翌日は9時出社になります。
一般的な企業を例として、定時が17時30分とします。
22時まで残業という事は、4.5時間/1日の残業です。
ではこれが1か月続くとどうでしょう。
1か月を20日と仮定した場合
90時間の残業が発生しているのに9時出社が続きます。
これ、どこが「働き方改革」なのでしょう。
全くもって無意味です。
「そもそも、毎日22時まで残業する前提がおかしい」と言われるかもしれません。
しかし、現実問題としてその場面に直面しても同じことが言えるのでしょうか。
これが11時間であれば1時間×20日で20時間も残業を減らせます。
また12時間であれば、40時間も減らせます。
13時間なら、60時間減る事になり残業は365協定範囲内の30時間に減ります。
そして、次の出社までに12時間も余裕があればリフレッシュする時間も十分にあります。
形だけ実施しても意味がないので本質を考えていく事が大切だと思います。
そして私が起業するとしたら、こんな無意味な制度は規定しませんね。
最後に
インターバル規制について書いてきました。
「働き方改革」にはたくさん物申したいところもありますが、それに釣られて「やってるだけ」の企業の多さにも驚きです。
なぜなら在宅勤務に特に言えますが、そもそも10年以上前からやっている会社があります。
何を今更、「改革」なんて言っているのでしょうか。
制度の本質を見ずに、あるだけ制度になっていないでしょうか。
社員の管理ばかりに目を当てて、本質を見失っている会社が多いような気がします。