IT業界には多くの大手外資系企業があります。
IT技術の領域においては、Microsoftを代表として日本国内では歯が立たないというのが本音です。
ハードウェアも国産市場は縮小が加速しております。
さらにソフトウェアで国産の代表的な製品も非常に少なく外資系の市場です。
JP1など国産ソフトで多く利用されているものも存在はしています。
しかし、OSやミドルウェアの多くは外資系ベンダーのシェアが圧倒的です。
そんな外資系だからこそ、憧れたり目指したりする人も非常に多いでしょう。
昨今のIT業界も大きく変化してきたこともあり各外資系大手企業の優劣もかなり変わっています。
この記事では外資系企業を私見で評価しますが、あくまでも評価です。
苦戦している企業でも、そもそもの企業価値や社員の技術水準は高い会社が多いです。
あくまでも「現状」と思っていただければと思います。
そこで今回は外資系企業の現在の勢力などを踏まえて紹介したいと思います。
就職や転職の参考にして頂ければと思います。
私見になりますので、最終的にはご自身の考えに従いましょう。
IT業界の外資系企業
Microsoft
もはや知らない人はいないであろうWindowsを擁するMicrosoftからです。
もはや敵なしレベルに市場で強く、デバイスからソフトまで新規の開拓もかなり早いです。
Azureによるパブリッククラウド、O365、またセキュリティの領域もかなり進化したためセキュリティベンダはかなり撤退気味でしょう。
また、Githubの買収など含めて「順調に巨大化」している外資系大手という位置づけになります。
最近の大手外資系はM&Aで一気に態勢を変えてきます。
今のところ、Microsoftの進化スピードについていける会社は少ないですね。
GoogleはWeb関係からGsuiteなど幅広く事業を行っています。
Azureにはシェアは負けていますが、クラウドであるGCPもパブリッククラウド市場では上位を占めます。
また、検索エンジンといった生活に必要なツールを握っているのが非常に強いです。
Googleもまた「順調に巨大化」している企業です。
いわゆる「GAFA」の一角で、もはや法律を変えてしまうほどの力を持っています。
しばらく衰退する様子もないでしょう。
Amazon
大手ECサイトのイメージが強いですが、IT業界ではやはり「AWS」の印象がかなり強力です。
パブリッククラウドにおいては、ここ数年はずっと一強と言っていいでしょう。
既に多くの企業がAWSの利用者となっています。
Amazonは「パブリッククラウド最強」であるのはしばらく変わらないでしょう。
ECの方が失敗しても、AWSだけでやっているけるのではないでしょうか。
そのくらいAWSがとても強力な製品となっています。
IBM
サーバ事業をレノボに売却し、クラウドシフトしたIBMです。
当初は危ぶまれましたが「Redhat」買収で一気に状況が変わりました。
IBM自体はまだ「Z」と呼ばれるメインフレーム事業から、クラウドでは主にWatosonなどのサービスに注力しています。
Redhat買収により「オープンソース最強」の会社となりました。
元々、AIXの技術を用いてLVMを作るなどOSSの技術はあったはずです。
そこにOSSを全面支援してきたRedhatの買収はかなり強力な企業体質を構成する理由になります。
Oracle
過去にはサン・マイクロシステムズを買収して巨大化したOracleですが、現在は少し厳しい状況です。
依然として、最重要機関のコアデータベースにはOracleが利用されてるのであまり大崩れするほどではありません。
しかし、クラウド事業で完全に後れをとっていると言わざる負えません。
既存のデータベース技術は世界トップですがクラウド事業を主体でいくなら「ピンチ」と言わざる負えません。
実際にOracleのクラウドの利用率はAWS、Azure、GCPと比較して程遠いのが現状です。
ただし、ビッグデータやデータ活用の時代なのでデータベースビジネスにおいては最強レベルなのは以前変わりなしです。
HPE
HPと言えばハードウェア主体の事業が主力です。
安価なサーバが多く、低コストにスケーラブルにオンプレを構築したいならHPが最適なケースも多かったです。
その反面、クラウド時代が到来してハードウェア事業自体が非常に危ういと言えます。
ハードウェアの需要は以前よりも少なくなりクラウドメインの事業も少ないHPは「大ピンチ」と言えるでしょう。
先日はゼロックスの買収提案もあり、もしかすると市場を騒がしくするかもしれません。
富士通、日立など国内メーカーも撤退しているメーカ市場はやや厳しめです。
Cisco
ネットワーク業界で最大手のCiscoは立ち位置そのままです。
M&Aで企業自体も少しですが大きくなっています。
ネットワークに関しては、どうしてもクラウド化出来ないという点ではまだサーバほど深刻ではないでしょう。
無線やSDN含めて「微妙に巨大化中」で安定した企業という所です。
電話やルータはクラウド化出来ないので、ある意味一定数は需要があり続けます。
Ciscoはしばらくネットワーク業界の頂点でい続けるでしょう。
Juniper
Ciscoときたら次はJuniperです。
ややSD-WANなどの技術でCiscoに後れを取っている状況ですが、ネットワーク業界ではかなり強い会社です。
特別、大きな変化や動きもないと言っていいでしょう。
良くも悪くも「普遍的」な企業なので安定はしているでしょう。
ネットワークはそもそもマルチベンダで構成するのがセオリーなので、Ciscoに独占されることもありません。
あとは独自性を活かして、セキュリティ面で強みが出れば普遍から進化になるかもしれません。
VMware
DELLの子会社で、一時はハイパーバイザで市場を制圧したVMwareです。
プライベートクラウドを構成する企業は、ほとんどVMware vSphere ESXを利用しているでしょう。
導入済みの環境を考えると、まだこの先数年は安定した企業です。
しかし、プライベートクラウドからパブリッククラウドに移行することでかなり需要は減るので「オワコン」化する可能性があります。
パブリッククラウドに移行出来ないユーザ向けの製品となる可能性もあります。
Azureと連携したりクラウドで利用できるサービスもありますが、あまり知られていないものが多く有名なvSphereはどうなるのか見ものです。
Symantec
2019年、法人事業を売却してしまったのがSymantecです。
従来はベリサイン、BlueCoatなどを買収しながらセキュリティ企業の代表格として巨大化していました。
しかしながら、今後はBtoCビジネス主体に移行するようです。
Symatecは今までのセキュリティ企業ではなく「別の会社に変身中」だと言えるでしょう。
法人事業を売却しているので、少なくとも今までの企業とは異なる体質になります。
アンチウィルスはオワコン(ニュアンス)だと発言したのはこのSymantecだったりします。
Trendmicro
次は、Symantecとしのぎを削っていたTrendmicroです。
ウィルスバスターを知っている人も非常に多いのではないでしょうか。
法人向けのウィルスバスターを使っていた企業もかなり多いです。
しかし、残念ながらアンチウィルスの市場はもはや「オワコン」になりつつあるので大ピンチです。
さらに2018年はAppleに個人情報保護の問題で配信を停止される始末もありました。
もうあまり長くはもたないかもしれません。
Citrix
VDIを利用している企業しか知らないであろうCitrixです。
とても酷い紹介の仕方ですが、事実としてCitrix=仮想デスクトップではないでしょうか。
現在はクラウドサービスもあるようですが、Oracle同様に芳しくありません。
VDIもMicrosoftのWVDの登場で「オワコン」化していくと想定されます。
もちろん、知らないだけで他にもCitrixの良い製品もあるでしょう。
挽回するには、何かしらの打開策が必要な気がします。
Salesforce
SaaS界では最も勢いがあるのがSalesforceです。
大手企業からベンチャー系まで、幅広い利用顧客がいます。
ライセンス費用が高いものの、使いやすさの評判も高くAPI連携もかなり出来ます。
営業支援系のSaaSとしてはしばらく「SaaS最強」の立ち位置でしょう。
値段がしても使いやすいというのはユーザにとって一番の業務効率化ですからね。
Salesforceが失脚する未来はまだ見えなさそうです。
SAP
基幹システムのERP製品で最も有名なのがSAPです。
現在もその市場での強さは以前変わりなしです。
国内のワークスアプリケーションズが騒がしくなっているのもあり、国内企業はSAPを利用する会社も増えるかもしれません。
基幹系システムは無くなることもなくSAPは「ERP最強」が続くでしょう。
SAPのエンジニアの単価の高さもその重要性を物語っています。
中小企業や予算が少ない会社は導入できない製品ですが、逆に大手企業や予算のある会社には非常に強いです。
最後に
IT業界の外資系大手企業について紹介してきました。
あくまでも代表的な企業を列挙しているので、他にも規模がもう少し小さい会社もあります。
また、FacebookやAppleはシステムインテグレーションを必要とする製品体質ではないので除外しています。
記事中、M&Aを記載した通り昨今は買収合戦が激しいです。
特にネットワーク業界と、SaaS系はベンチャー系が勢いに乗るとそのまま大手企業に買収されるケースが大半です。
IBM+Redhatのような大型のM&Aはあまり多くはないですが、もしかすると今回紹介した企業同士の合併もあるかもしれませんね。