インフラエンジニアと言えば、ネットワーク・サーバ・ストレージの分野を担当する技術者です。
所謂「オンプレ」と呼ばれるハードウェアが主戦場です。
サーバOSはもちろん対応しますし、人によってはメールシステムやミドルウェア。インフラを構成するソフトウェアも担当しているでしょう。
しかし、それらがオンプレであれば早めにクラウド技術をキャッチアップした方がいいでしょう。
というのも、50代のエンジニアも多くいる現代において、30代や20代は早めにクラウド技術を身につけた方がいいと言う話をしたいと思います。
当然、クラウド特有の理由もあるので併せて書いていきたいと思います。
インフラエンジニアはオンプレが残っている間は必要ですし、不要な職業になるわけではありません。
今でもメインフレームが動いているように今すぐに必要なくなる仕事ではありません。
むしろ、オンプレ環境が減ってきて扱える人も少なくなれば単価が上がるかもしれません。
実際、COBOLの技術者の単価も一時期上がっていたようです。
少し脱線しましたが、インフラエンジニアがクラウド技術を身につけるべき理由を紹介していきたいと思います。
若手インフラエンジニアは早めにクラウド技術を身につけよう
インフラエンジニアは溢れかえっている
現状ですが、十分すぎるほど市場にはインフラエンジニアが存在します。
高スキルな人材は一部だけに限られますが、プライベートクラウドの運用やサーバ構築くらいの経験者はいくらでもいます。
ネットワークもそうですし、運用のスペシャリストであれば設計構築にシフトするのもそこまで難しい分野ではないのです。
これまでオンプレ主体の企業が多かったことで十分すぎるほど人材がいるのです。
おそらく希少価値が高いのは国際案件の経験、大規模プロジェクトのPMや主担当者、エバンジェリストなど知名度のある人材でしょう。
VMwareなども一時期、仮想化が流行った時に大量にVCP保有者も増えていたので正直そこまで珍しいものでもないと言えます。
業界を理解するためにまずはインフラエンジニアを3年から5年経験するのは良いでしょう。
しかし、市場には既に経験豊富な人材も多くオンプレ市場に伸びしろもないので担当できる業務には限りがあるでしょう。
オンプレ技術はクラウドのバックグラウンドにある技術と理解しておくくらいでいいと思います。
フルクラウドな企業もあるので、そういった企業だと活躍できるスキルではない場合もあります。
クラウド化でオンプレが減る
先ほど述べたように、オンプレ市場は伸びしろはあまりないでしょう。
単純なコストだけで見るとクラウドの方が高く見えるのですが、オンプレには以下の問題があります。
- 定期的なパッチ適用やメンテナンス作業が必要
- リプレースしなければいけない
- すぐに手配が出来ない
- 現地立会いやアテンドの必要がある
- 電源やラックなどの維持費用がかかり続ける
- 物理的なスペースが必要
要するに、オンプレの方が時間と人件費がとても大きく嵩むのです。
クラウドはインターネットさえあればすぐに構築やメンテナンスが出来、かつセキュリティはクラウド側で一定数担保されるのでメンテナンスは最低限です。
仮にオンプレであることが理由で残業などが多いエンジニアがいた場合、クラウドにした方が年間の人件費も減りオンプレよりも費用対効果が良いケースが多いでしょう。
オンプレ市場は伸びしろが無く既に高スキルなインフラエンジニアが多いのであえて続ける理由は無いと言えます。
であれば今成長しているクラウドを戦場にした方が将来のためになります。
10年後、クラウドより新しい技術が出てきていても、今のインフラエンジニアと同じように市場が伸びなくても仕事に困る事はないでしょう。
クラウドでも分野は様々
おそらく、クラウドでイメージするのはAWSやAzureのようなパブリッククラウドか、SalesforceのようなSaaSでしょう。
ですが、身近に利用しているものなども実はクラウドです。
G SuiteもOffice365も全てクラウド製品です。
例えばOffice365でもAzureADやExchangeに特化して詳しい人もいれば、G SuiteのID管理に詳しい人もいるでしょう。
新型コロナウィルスの影響で一気にクラウド需要が上がっている今の状況であれば、クラウド系の有名製品群はどれでも需要があるでしょう。
特にテレビ会議系はリモートワーク普及で十倍以上の需要が出てきています。
汎用的なAWS、AzureのようなIaaSでも良いですしGsuite、O365のようなPaaSでも今は需要があるでしょう。
クラウドはこれからの業務システムの根幹になるので早めにスキルをキャッチアプした方が将来困る事が減るでしょう。
オンプレは既に存在するインフラエンジニアに任せてクラウドを学びましょう。
AzureなどはオンプレのADとExchangeの知識も活きますがやはり概念が異なる部分も多いので座学でも勉強しておくと良いと思います。
理想形はハイブリッドで問題なし
ここまで若手インフラエンジニアにはオンプレの技術について勧めていませんが、当然ながら両方できた方がさらにメリットがあります。
これからオンプレからクラウドに移行しようとする企業も多いでしょう。
オンプレ側の技術にも詳しくクラウドにも詳しい人はこういった比較的難易度がある案件も対応できるでしょう。
クラウドしか知らないというのもそれはクラウドでしか仕事が出来ないという事です。
オンプレの課題を解決してクラウドに行きたい企業にとっては役不足と言えるでしょう。
出来るならハイブリット環境までカバーできるエンジニアになれば間違いなしですね。
最後に
若手インフラエンジニアにはオンプレ技術ではなくクラウド技術を勧める理由を紹介してきました。
それこそ、40代以上でずっとインフラエンジニアをやってきたような人はやはりとても詳しいです。
あえてその人たちと同じ土俵で仕事をし続ける必要はないと思います。
あと20年で世のインフラの大半がクラウドになるなら、今からクラウドに精通しておいた方がいいでしょう。
そのうちクラウドの技術者も溢れかえるのでしょうが、今この需要がピークになりつつあるときに技術をキャッチアップしないのは勿体ないと思います。