エンジニアの退職が多くて困っている会社もあるのではないでしょうか。
IT業界は非常に人材が流動的です。
資金力のある会社ほど最新の技術に敏感で、優秀な社員を欲しています。
そうなると中小企業やブランド力の低い会社で、優秀になった社員が辞めていってしまう事もよくある事です。
エンジニアの転職では、転職の理由は様々ですが技術力さえあればどのような会社でも通用しますし、一つの会社に拘る人も少ないと思います。
転職されるのが心配であったり困ると思っている人は部下の行動の変化には気づくようにしましょう。
私の経験則ですが、転職や退職を決意すると精神面も行動面も変化します。
意図的な変化もあれば無意識な変化もあります。
昇給面談など、定期的な上長との面談であっても本音を言う人は少ないです。
そういった場で本音を明かす人は、辞めたい気持ちがありつつも残っても良い気持ちがあるからこそ相談しています。
しかしながら、退職を決意している人は決断してから申告するので手後れの方が多いです。
先に心を留めるのであれば、そういった変化に気づいて先回りで対処するしかありません。
ですが、そういった変化に気づくのは難しいです。
常に相手を見ているわけでもなければ、毎日接していれば変化に気づかないと思います。
そこで、参考程度ですが私個人の行動などを含めて転職や退職する人の行動の変化について書いていきたいと思います。
転職しそうなエンジニアの変化
反論しなくなる
技術者同士はお互いに技術の経験も違えばポリシーなども違う事があります。
もちろん、大人同士なので感情論は抜きにして、技術的なアプローチのうちどれが適切かを議論していく必要があります。
ただ、一定数は自分の考え方が全てと思っている人もいます。
そういった感情的な相手に対してまともな精神の人は話しても無駄だと感じる事が多いです。
技術的な話をしているのに、感情的になって言い返されると不愉快ですしストレスになります。
一緒に働く人が原因で辞める場合は、多くのパターンとしてそういった人間との関わりに疲れてしまい反論する事を止めてしまいます。
これは上司と相性が悪いと感じる転職者も同じ行動を取ると思います。
また感情的に言い返して、辞表を叩きつける人もいると思いますが転職先が決まっていない状態でそれが出来る人はあまりいません。
裏で計画的に転職先を探しながら、感情的な発言やストレスに対して相手にしないように過ごしている事が多いです。
周囲の人で、口が悪い人や感情的になる人と一緒に仕事をしている人がもしいたら、どういう態度を取っているか考えてみても良いでしょう。
前は議論していたのが、下手に出て反論を一切しないようになっている場合は、既に退職を決意している可能性があります。
笑顔が多くなる
人間、物事を割り切ったり決意したりする事で心に変化が起きることが多いです。
退職を決めた人や、転職活動が上手くいっている場合、今まで感情的になったり不愛想だった人は笑顔が多くなると思います。
それは、辞める前はせめて良い印象を残しておきたいと思うからです。
もしくは、本当に自然と笑顔が多くなっているかもしれません。
私の場合は意図的にしますが、笑顔というのは決して良い行動変化ではない可能性があるという事です。
先ほどの内容と同様に、本来は反論すべき内容であっても、辞めるのであれば反論する意味がないと感じるので相手を持ち上げるように笑顔で「私もそう思います」と言っています。
つまり、皮肉なんですよね。
「貴方の考えは正しいので、そのまま一人で頑張ってください」というのを笑顔で返しています。
精神的なダメージが強い場合であっても、空元気で最後まで笑顔で対応する事も多いはずです。
元々、笑顔が少なく仕事に真面目に取り組んでいた人が、急に笑顔を多く見せるようになったら要注意です。
ちなみに私はその手のタイプなので、辞めようと決意したらとにかく優しく接します。
残念ながら、「急に優しくなったな」とか「この人明るくなったな」とか感じたらそれはいなくなる合図です。
お昼に一人行動が多くなる
普段はお昼に一緒にいったり、デスクで弁当を食べていたのに急に姿を見なくなったら本当に要注意です。
なぜなら、空いた時間を転職活動に使っている可能性があるからです。
同僚や職場にいないという事は、見られたくない事や知られたくない行動を取っている可能性があります。
私も転職サイトを利用している時はお昼に選考状況の確認や志望動機を考えるためにカフェに行っていました。
転職活動には時間とパワーがある程度必要な事は過去に他の記事で書いてきました。
プライベートな時間を多く削るので、出来ればお昼なども活動しておきたいと思うのが普通です。
お昼休憩で活動する事で、自宅に帰ってからはゆっくり休むことが出来ます。
特に、中途採用で入社してきた人は転職の仕方をよく知っているので要注意です。
新卒で働いていた人は転職活動の仕方をしりません。
しかし、中途の人間は知っているのでこういったお昼などの空いた時間を使う事を最初から知っています。
中途入社の社員で、社員同士の交流が少なくなったらもしかしたら転職活動をしている事があります。
辞めるのを止めるには
人間関係の問題は放置しない
性格が悪い社員や言葉に棘のある社員は、普通の感覚で接していれば分かるはずです。
しかし、距離感の問題や機嫌を損ねないように、誰も言わない事が多いと思います。
それが役職者であっても、平社員でも同じです。
人のせいで社員が辞めるのは大きな損害です。
もし理解のある人間がいれば、辞めなくて済むどころか本来のパフォーマンスを発揮したかもしれません。
人間関係のトラブルとは、モチベーションを大きく低下させストレスを感じている社員の生産性を低下させます。
そういった社員を知っていて、その人と一緒の現場の人間が困っていないような素振りをしているのでれば無理をしている可能性が高いです。
人間性に関する問題は、仕事のレベルとは分離してきちんと指摘するべきです。
性格が悪いからと給料を下げてしまうと、その社員が退職する可能性が高くなるので、そういった人間性に関して人事部などが指摘をしていく必要があると思います。
技術力を正当に評価する事が大切
技術力のあるエンジニアほど退職してしまうので、技術やスキルに対する報酬が少ない事も原因です。
これまで書いてきた人間関係にまつわる話であっても、給料が大幅に上がる事でモチベーションを維持できる事もあります。
また、人事の評価制度が曖昧なのも正当な評価を得られないと感じる原因になりやすいので、人事制度を明確に定義する必要もあります。
エンジニアは成果主義を好む傾向があるので、年功序列では若い人ほど不平等を感じやすいです。
言葉では成果主義をうたっていても、実態は年功序列の会社は多いです。
成果主義と言いつつ、給料のグレードやレベルが、一定の水準は30代以上しかいない会社などは口だけ成果主義の会社です。
優秀であれば20代で課長や部長をやっていても良いのです。
大手企業ではありえない話ですが、それは20代の優秀なエンジニア以上に優秀な30代がいるからでしょう。
しかし、特許を取ってしまうくらいの20代がいた時に、別に役員まで上げてしまってよいと思います。
ですが、こういった口だけ成果主義の会社はそうしません。
そういった実態を見ると、何一つ成果主義ではないと思います。
最後に
転職しそうなエンジニアの行動3つと辞めさせないための方法について書いてみました。
技術者同士は感性が一致するしないという部分に関しては本当に重要なファクターだと思います。
考え方を共有する事で、信頼関係も構築されモチベーションも高くなります。
しかし、人間性に問題のある人間と仕事をするとストレスや考え方や仕事に制約が生まれてしまいます。
技術者だからこそ、譲れない部分も少なからずある場合は、その人と仕事をする事を諦めて他の世界にいってしまいます。
また、成果主義に関しては本当に正当に評価するべきです。
長く在籍した社員を評価する軸と、成果に対する評価の軸を作り、総合的に評価するべきで、結果的に在籍年数に制約をおく会社は一生成果主義には成り得ずに若い社員が多く辞めていくでしょう。