「仕事をやる気が全く起きない」
ある日突然、または徐々にそのような感覚になる人も増えてきているかもしれません。
システムエンジニアをしていると様々なストレスとプレッシャーに晒されます。
公共系の案件や官公庁などの国家プロジェクト、金融系や航空系などのシビアな案件で尽力するエンジニアはたくさんいます。
プロジェクトの中で仕事をしている時はストレスがあってもやりがいがあったりします。
要求されるレベルが高いほどモチベーションになる人もいれば、敷居の高い案件で設計などの上流工程で実力を試している人もいるでしょう。
ストレスもプレッシャーも環境次第では個人のスキルアップやモチベーションに繋がります。
また、技術職という専門的な領域で高度な仕事をこなすのは、システムエンジニアとしても目標の一つかもしれません。
しかしやりがいがあればあるほど燃え尽き症候群に注意しましょう。
冒頭で書いたように急にモチベーションが無くなってしまう人もいます。
そうすると、仕事どころか日常生活にも支障が出てしまいます。
場合によっては「抑うつ」状態となり心療内科などに係った方が良いでしょう。
そこで今回は「燃え尽き症候群」になってしまった人からモチベーションが無くなってしまった時の対処を紹介したいと思います。
こんなエンジニアは燃え尽き症候群になりやすい
技術を追求する人
技術職として、専門知識を追求するのは素晴らしい事です。
ただ業務として必要な知識を学習するだけではなく、個人のスキルを高めたり深く追求することが楽しく感じる人も意外に多いです。
専門性を高めれば実務でこなせる案件のレベルも高くなっています。
しかし技術の進化は激しく進化に追従するのが辛くなることもあります。
最新の技術に常に追従するのは思いの外大変です。
それまで経験してきたプロジェクトの知識などが全く活きなくなってしまう事もあります。
また、一定のスキルまで到達してしまうと「やりきった」感覚に陥る事もあります。
この「やりきった」が燃え尽き症候群に繋がる可能性があります。
「もういいや」と諦めたり妥協し始めるような考え方が出てきた場合に少し危険信号かもしれません。
完璧主義な人
「鬱病」になりやすい人とも同義ですが、真面目で完璧主義な人も燃え尽き症候群に注意しましょう。
完璧主義な人が燃え尽きてしまうパターンは二種類あると言っていいでしょう。
- 仕事で失敗してしまい完璧ではなくなってしまった
- 自分の理想通りに仕事をこなして満足してしまった
1つ目は、完璧主義の人は完璧に物事を進めて完結したいがために「1つのミス」が精神的にダメージになります。
一般的な人であれば、そのミスが「今後に活きる」ためのものと考えて、心理的に切り替えたりすることが出来ますが、完璧主義の人は「完璧ではなくなった」現実を真に受けてしまうので、よりインパクトが大きいです。
あえて例えるならテスト100点以外は0点と同義です。
そのため、心理面がミスや失敗によって追いつめられてしまい、また自己嫌悪などを重ねるのでどこかで「燃え尽きた」状態になります。
この手のタイプは、それまで「頑張り過ぎた」せいで精神的な消耗が後から出てくることもあります。
2つ目に関しては、「完璧に完結」することで理想を叶えてしまったケースです。
つまり、夢や目標を達成して達成感に浸っている状態です。
何かを達成してしまいやる気が減衰した場合は「有終の美」という感覚と同じでもうそれ以上はやるつもりがなくなってしまっています。
ダメな自分になるよりも、完璧で優秀なまま終わりを迎えたい人もいるでしょう。
そういった考え方の場合、大きな仕事をやりおえて「燃え尽きて」しまう事もあります。
以前は優秀だった社員が全くやる気が見られなかったり精神的なトラブルを抱えた場合はこのケースかもしれません。
責任感が強い人
この理由も「鬱病」になりやすい人の傾向と同じです。
基本的に「真面目」である人がかかりやすいのは必要以上に我慢を続けてしまうからです。
真面目な人は、ミスをしても真摯に受け止め、要望があれば真剣に検討します。
またお客さんを抱える仕事であれば相手の機嫌を適度に伺う事が出来て、また顧客の要望に対して最善を尽くすでしょう。
責任感のある人はストレスをため込むことが多いです。
管理職になって体調不良になる人もいるので、責任感というのはモチベーションにもなりますが、人によっては向き不向きも違います。
ストレス耐性の許容範囲も違うのでどこまでの責任を終えるかはその人次第です。
責任感のある人は物事を受け止める強さがありますが、その反面努力が潰えたり裏切られるとやる気を失ってしまいます。
お客さんに責任をもって対応していた人が、急に担当を外されて責任感のない仕事に帰られたり、理不尽な責任転嫁などがあると「責任を取る」事が嫌になってしまうでしょう。
人より真面目に頑張ってきたからこそ理不尽や裏切りを受けるとダメージが大きいです。
責任感があまりないのであれば、転職するなどして環境を変えるでしょう。
しかし、責任感のある人はギリギリまで何とか出来ないか自分を追いつめてしまいます。
燃え尽き症候群になってしまったら
とにかく好きな事をする
燃え尽き症候群になり、「抑うつ」状態となると日常生活にも支障が出ることがあります。
人によって症状の強さに違いはありますが、基本的に以下の症状に該当するでしょう。
- モチベーションが上がらない
- 朝起きるのが辛い
- 好きだったことが出来なくなる
- 他人に興味がなくなる
- 外出が嫌になる
このほかにも人ごみや満員電車が突然苦痛になり体調が悪くなる人もいます。
このような状態では仕事どころか会社に行く事で精一杯でしょう。
その場合は技術から離れてみることをお勧めします。
仕事では技術を行使しなければいけませんが、それまで頑張ってきた時より少し遠ざけましょう。
プライベートな時間は全て技術以外の趣味の時間などに投資しましょう。
好きだった趣味に対するモチベーションがなくなっていたら新しい趣味を探してみるのも良いでしょう。
燃え尽き症候群で失ったモチベーションを取り戻すにはとにかく「好きな事を見つける」ことが大切だと思います。
好きな事があれば自然とモチベーションが生まれます。
そして、それが真剣なものであれ遊びであれ「好き」であれば意識せずともモチベーションが高まります。
仕事ばかりの人生ではないという事を知ると、生活がだんだん苦痛ではなくなるでしょう。
とにかく休む
燃え尽き症候群になった人はとにかく休みましょう。
燃え尽き症候群になりやすい人の特徴は全て、時間を最大限技術や仕事に費やしている人が多いです。
技術を極める人は休日も勉強し、完璧主義な人は完璧を維持するために神経をすり減らし、責任感のある人は常にストレスを抱えています。
燃え尽き症候群になるのは「働きすぎ」や「やりすぎ」が積み重なってしまっているかもしれません。
無意識下で溜め込んでいるストレスが、どこかで発散されなければ蓄積されています。
モチベーションがある間は、モチベーションによってかき消されて気づかないだけの事も多いです。
やる気や感情で行動していても、体や脳はストレスフルかもしれません。
一気にストレスが爆発してモチベーションが無くなったらとにかく休んで神経を休ませてあげましょう。
肉体的な疲労は睡眠や時間の経過が回復します。
しかし心理面は、時間が解決するとは限りません。
とにかくリラックスした状態を続けることで、神経の消耗を徐々に回復させてあげることが出来ます。
自分を認めてあげる
完璧主義な人が病んでしまった場合に多いですが、とにかく「自己嫌悪」してしまう人がいます。
それは、それまで真面目に成果を上げてきた自分と今の自分を比較した時に、今の自分が大きく劣るので「理由のない理由」を探してしまうからです。
しかし精神的に消耗するまで頑張ってこれたのだから「自分を認めてあげる」事が大切です。
むしろ、燃え尽き症候群のように「モチベーションが上がらない」状態に急になるのは体が「休んでね」と言っているサインです。
無意識的にストレスやプレッシャーを受け止め続けた心が助けを求めています。
それまで十分に頑張ってきたのであれば燃え尽きてしまってもそれまでの結果は消えたりしません。
自分を責め続けると悪循環しかありません。
そして精神的な病は、前述した通り体とは違い時間の経過で治るとは限りません。
どういった考え方をするかも大切です。
諦める勇気を持つ
技術に特化した人も、完璧主義な人も、責任感のある人も真面目がゆえに自分を追い込んでしまいます。
高いレベルの要求やリスクも真面目に受け止めて、誰もが認めてくれるような結果を残そうと努力すると思います。
しかしすべてに全力を注ぎ続けるとどこかでケガをしてしまいます。
つまり、「妥協する」勇気を持たないといけません。
それまでの栄光など、自分の理想像もあると思いますが現実を見た時に「今の自分」に出来ることだけを見つめてみても良いでしょう。
耐え続けることよりも「諦める」方が難しい事が多いです。
しかし、この諦める勇気を持てば常に全力ではなくなります。
休める時は休み、出来ない事はやらなくなります。
そうすると、無理しない生活が出来るようになってくるでしょう。