システムエンジニアが鬱になりやすい原因について4つ

現代社会の問題として、鬱病を患う人が増えている事が挙げられます。

過去、何度か過労やストレス、パワハラによる自殺者も出ており、生活のために仕事をするはずが仕事によって命が絶たれているという悲しい事件も起こっています。

日本社会の仕組みがそういった鬱病患者を増やしてしまっているかと言うと明言できませんが、関係はあると個人的には思います。

日本人は真面目で勤勉だとよく言われますよね。

真面目にやる事が当たり前になりすぎているのが悪い文化だと思うのです。

仕事が生活の一部ではなく生活の大半が仕事になっているような気がします。

週5日、一日8時間も仕事をしています。

働き方改革が進む現在ですが、もう少し社員を必要以上に拘束しない働き方や、ストレスを与え過ぎない職場環境づくりが必要と言えます。

そこで今回は、システムエンジニア(SE)の鬱について書いていきたいと思います。

職業柄、追いつめられる事が多いのも実際に感じています。

そこで、SEとしての経験から鬱になりやすい理由を私見ですが書いていきたいと思います。

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お客様は神様である

元請けと下請けの構造

SEとして業務をしていく上で、お客様がいるわけですが、所謂エンドユーザと言われる本当の顧客のみがお客様ではありません。

IT業界はピラミッド構造で有名な通り、規模の大きな会社や有名企業、コネクションを強く持っている企業がたくさん案件を受注して下請けに作業を委託もしくは請負いで依頼します。

これを2次請け、3次請けと下に行けば行くほど数字が変わります。

この構造では、全責任は元請けがエンドユーザから負いますが、2次請けは1次請け企業の要望に完璧に答える必要があります。

つまり、2次請け企業がどんなに忙しくても、納期や要望を実現しないと債務不履行となります。

債務不履行となると、利益が得られません。

どんな業務状況であっても契約が成立してしまえば基本的には拒否権がないです。

これは当たり前ですが、鬱になる最大の要因としては、トラブルが発生した場合です。

基本的に炎上している案件と言うのは、それ相応のトラブルがあります。

トラブルが起きても納期厳守で仕事をすると必然的に稼働が高くなります。

トラブルの原因が分かっていなくても、発注側が納期をずらせないと言えばずらせません。

トラブルが解決しなければ「いつまでやっているんだ」「早く直せ」「いつまでに報告する予定か連絡してくれ」などなど散々な事を言われます。

こんな状況だと帰るに帰れません。

どうでしょう。

なんとなく追いつめられてくるのが分かるでしょうか。

毎日文句を言われながら、夜中まで仕事をします。

原因が分からず調査するしかない状況だと帰れないのです。

そして、元請けの人は実際に調査しないので普通に帰ります。

ですが、作業を請け負っている会社がすべき事をやる必要もありません。

こんな光景を目の当たりにして、下請けSEが疲弊し病んでしまうのは当然と言えます。

もちろん、1次請けにも辛い事があるので、一概にどちらが良いか比較できませんが、下請けSEの方が辛い思いをする事が多いと思います。

専門家であり続けなければいけない

技術者のレベルもありますが、システム的な課題や問題に対してシステムエンジニアは常にプロとしての立場でいないといけません。

実際は、すべてが技術力でカバーできるわけではありません。

無理難題を突き付けられても実現しなければいけない事もあります。

これは精神的なプレッシャーになります。

システムエンジニアは技術力がサービスです。

信頼を失うと案件受注が出来ないどころか、大規模なミスを犯すと取引停止といった事にもなりかねません。

基本的に受注した内容は全て遂行する必要があります。

当然だと思っているあなた。

ここで決定的な違いを書きます。

そもそも無理な作業や案件を受注してしまう事があるのがIT業界です。

先ほどの理由と同様、立場の弱い会社では実際にあります。

取引の関係などを維持するために受注しなければいけない事もあります。

また、少しでも利益を確保しないといけない場合もです。

例えば、アプリケーション開発の企業がインフラの案件を受注してしまうと、担当できるエンジニアが少ないのに対応する事になります。

この場合、何とかプロジェクトを遂行するという手段を取るしかありません。

大量の派遣社員や個人事業主を招集する事が多いですね。

何とかするという言葉を使う時点で、無理が生じています。

不可能を可能にする事には負荷がかかります。

お客様からは出来て当たり前だと思われているため、プロフェッショナルを貫くには様々は負荷をかけてでも遂行する必要があります。

無理難題であっても、完全に遂行するのがプロフェッショナルであり専門家です。

どんな状況でも受注してから「出来ません」はあり得ないのです。

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精神衛生上良くない働き方が多い

客先常駐という働き方

開発業でもインフラ業務でも客先常駐と言う働き方があります。

自分の会社ではなくお客様先に席を用意してもらい、そこへ出社して仕事をします。

つまり、お客様が常に周囲にいる環境です。

この時点でストレスを感じる人もいます。

環境によっては監視されている気分になるかもしれません。

お客様と仲良くするという意識を常に持つことも必要ですし、何かあると簡単に依頼や確認を求められます。

しかも、契約によって扱いが悪い会社もあります。

私が派遣社員時代に、業務委託の方々と仕事をしていましたが、私はプロパーと同じPCや職場でしたが業務委託の人たちは狭い部屋にぎゅうぎゅうに座っていました。

あまりに可哀想で何も言えません。

取引関係によって悪い職場環境下でしか仕事が出来ない事もあります。

精神的にも環境的にも常にストレスになる環境だと少しずつ精神的なダメージが蓄積していくでしょう。

優秀であるほど仕事量が多い

SIerで特に顕著ですが、技術レベルが高い人材や能力の高い人には仕事が集中します。

人によってきっぱり断る事もありますが、結局回らずに最終的には参画しなければいけなくなる事もあります。

完璧主義な人ほど優秀で仕事量が多い事があります。

完璧主義と言うのは、技術に対しては非常に良い意識です。

正しい知識で、正しい方法を用いて目的を達成する事は技術力の証明になります。

しかし、仕事量が多いと完璧ではいられなくなります。

完璧主義者はよく鬱病になりやすいと言いますが、その通りだと思います。

稼働が高くなり、疲れなどが取れずストレスが溜まってくると段々と作業効率が下がっていきます。

体調を崩すこともあるでしょう。

そうすると完璧ではない自分と対面する事になります。

今まですぐ出来ていたことが、時間がかかるようになってしまったり、完璧にこなそうと思っていた計画が遅延したり想定外のトラブルに見舞われたりします。

すると、だいたいの人が以前の自分と現在の自分を比較します。

比較してしまうと今の自分が嫌いになってきます。

自分が上手くできないのが悪いと思い込んだり、自己否定を始めます。

この段階で既に鬱に足を突っ込んでいる状態です。

真面目な人ほど追いつめられると自分を責める傾向にあります。

割と言われたことを全力でやる社畜系の人の方がメンタルが壊れなかったりします。

主体的に行動できる人の方がダメージが大きいと思います。

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最後に

個人的にはプロ意識のある人ほど鬱に陥りやすいと思います。

真面目で主体的であるほど、メンタルに亀裂が入ると崩壊スピードが速いと思います。

慢性的な鬱状態もありますが、一気に来るパターンの方がきついと思います。

不満やストレスずっと感じて仕事をしている人より、それまでは完璧に仕事をこなしてきた人がダメになった自分と対面した時が鬱の始まりだと思います。

出来ればそこまで行く前にギブアップするようにしましょう。

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